2025年8月1日、岐阜県の東海牛乳株式会社は、一時停止していた牛乳の製造・出荷を公式サイトで再開しました。2025年5月から6月にかけて約450万本の自主回収を実施した背景には、工場内の配管継ぎ目パッキン(密封部材)の劣化による低温菌混入がありました。本記事では、問題発生から原因究明、対策、そして再開までの流れをわかりやすく解説します。

東海牛乳が2025年8月1日、製造・出荷を再開!
東海牛乳とは──伝統と最新技術の両立
- 創業:1883年(明治16年)
- 本社所在地:岐阜県揖斐郡神戸町
- 主力製品:牛乳・乳飲料・清涼飲料・果汁飲料
- ESL製法:賞味期限を最大14日間に延長する独自技術
「おいしさで健康づくり」をモットーに、東海地方から関東・北陸・関西・九州まで幅広く流通。地元の生乳を活かしつつ、品質管理体制を強化しています。

ESL製法で賞味期限最大14日間!おいしさ長持ちの技術力
1. 品質異常のあらまし
2025年5月30日、東海牛乳は「味や風味がいつもと違う」「加熱すると固まる」といった消費者からの約80件の問い合わせを受け、対象製品230万本の自主回収を発表。6月10日には追加で約220万本を回収し、累計約450万本にのぼりました。
- 対象期間:賞味期限が2025年5月30日〜6月25日の製品
- 対象工場:本社(岐阜県神戸町)製造分
- 被害報告:健康被害なし、風味・テクスチャ異常のみ

東海牛乳に“味が変”との問い合わせが相次ぎ、自主回収へ
関連記事
5月30日の初回発表はこちら
6月10日の再発表についてはこちら
2. 原因究明 ―― 低温菌の侵入ルート
機械設備メーカーと東海牛乳の調査で、以下の点が判明しました。
- パッキンの劣化・潰れ
配管継ぎ目に使われていたゴムパッキンが劣化し、密閉性が低下。 - 外部空気の取り込み
配管内に外気が入り込み、加熱殺菌後の牛乳に低温細菌が混入。 - 条件が揃うと活性化
保管温度や時間経過により細菌が増殖し、タンパク変性→風味異常・凝固を誘発。

劣化したパッキンが密閉性を損ない、外気を取り込んでしまった!
3. 実施した対策
3.1 パッキンの全交換と管内洗浄
状態に関わらず全パッキンを新品に交換し、配管内部を徹底洗浄。
3.2 試験製造による品質確認
改良ラインで試験製造を何度も行い、
- 低温菌の検出なし
- 風味変化・凝固の再現なし
を自社および第三者機関で検査・確認。
3.3 定期点検体制の強化
今後はパッキン交換・洗浄の頻度を従来比で大幅に増やし、外部検査の間隔も短縮。

全パッキンを新品交換し、配管内を徹底洗浄で安全確保!
4. 出荷再開スケジュール
日付 | 内容 |
---|---|
2025年6月中旬 | 原因究明完了、対策準備開始 |
2025年7月末 | 試験製造・品質検査完了 |
2025年8月1日 | 改良ラインでの製造・出荷を再開 |
8月1日出荷分から順次店頭に並びます。品質が回復したことを消費者に広く周知することで、信頼を取り戻す狙いです。

2025年8月1日、改良ラインから製造と出荷を再開!
5. 消費者へのお詫びと今後の取り組み
東海牛乳は公式声明で、
「お客様・お取引先・関係各所の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」
と謝罪。今後は品質管理をさらに強化し、「安全でおいしい牛乳」をお届けする姿勢を改めて示しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 賞味期限が該当期間の牛乳をまだ持っています。返金・交換は可能ですか?
→ 賞味期限2025年5月30日~6月25日の本社製造分であれば、未開封・開封にかかわらず返金対応を行います。公式サイトの専用フォームからお申し込みください。
Q2. 子どもがすでに飲んでしまいましたが、大丈夫でしょうか?
→ 健康被害の報告はありませんが、不安な場合は医療機関にご相談ください。
Q3. 再発防止策の詳細はどこで確認できますか?
→ 東海牛乳公式サイト「ニュースリリース」欄に詳細な報告書があります。随時更新されるため定期的な確認をおすすめします。
まとめ
- 2025年5~6月、パッキン劣化による低温菌混入で約450万本を自主回収
- 原因箇所のパッキンを全交換し、配管内を徹底洗浄
- 自社・第三者機関による試験製造で低温菌検出なし、品質異常も解消
- 2025年8月1日出荷分より改良ラインでの製造・出荷を再開
- 定期メンテナンスと外部検査体制を強化し、消費者信頼の回復を図る
東海牛乳の出荷再開は、品質異常の原因究明と徹底した対策によって実現しました。パッキンの全交換・管内洗浄・試験製造・外部検査という一連のプロセスを経て、安全性が確認された改良ラインから、8月1日以降の出荷が再開されます。今後も定期的なメンテナンスと品質検査を強化し、消費者の信頼に応える企業努力が続けられるでしょう。

2025年8月1日から改良ラインで製造・出荷を再開
――本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれる場合があります。