和牛A5等級が71%超え|霜降り改良の何が変わった?赤身需要のギャップも

和牛A5等級が71.4%に増加|霜降り改良と赤身需要の変化を示すイメージ 肉牛
和牛A5等級の増加と赤身需要のギャップを可視化
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2025年の統計で、和牛の最上位等級であるA5等級(去勢牛ベース)が約71.4%まで上昇しました。霜降り(脂肪交雑)重視の品種改良と肥育技術の向上が背景にありますが、国内では健康志向による赤身肉需要の拡大も顕著です。本稿は一次データを踏まえ、現状診断と今後の示唆を専門家視点で整理します。

要点

  • 和牛A5等級は2025年に去勢牛で71.4%(11月単月は74.9%)に到達。
  • 主因は血統選抜による霜降り能力向上と肥育管理の高度化。
  • 国内消費は赤身志向が強まり、A5の一部は輸出に依存する構図が進行中。
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最新データ:A5等級の推移(要点と表)

以下は主要年次の傾向を簡潔にまとめたものです(参考統計に基づく要約)。

A5等級割合(概数)要因メモ
1999年頃約15〜20%霜降り改良前の水準
2019年約40%品種改良の浸透開始
2021年約50〜55%改良と肥育管理の高度化
2023年約64%A5が主流化し始める
2025年71.4%(去勢牛)11月単月は74.9%を観測

※上記の年次割合は公的格付け統計を要約したものです(本文は一次データに基づく解説を行います)。

なぜA5が増えたのか:技術と経済の両面

1) 血統選抜と育種戦略

生産者が高BMS(霜降り)を評価する種雄牛や血統を選択することで、脂肪交雑能力は世代を追って向上します。生産段階での選抜圧が強まり、A5化を加速させました。

2) 飼養・肥育管理の高度化

飼料設計(エネルギー密度・発現期の管理)、肥育期間の最適化、健康管理の徹底により、期待される脂肪交雑が安定して得られるようになりました。

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3) 市場インセンティブ

A5等級は枝肉価格が高水準で推移するため、生産者側の収益確保という明確な動機が存在します。市場構造がA5取得を後押ししました。

消費者側の変化:赤身志向の台頭

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一方で消費者行動には次の変化が見られます。

  • 健康志向の高まり(低脂肪・高たんぱくを志向)
  • 高齢化に伴う「脂が重く感じる」ニーズ
  • 物価高でコストパフォーマンス重視になり、3〜4等級の流通割合も根強い

その結果、国内小売や家庭消費の一部では赤身寄りの商品が選好される傾向があり、生産側のA5集中と消費側の嗜好が必ずしも一致していません。

需給のミスマッチが生む構造的課題と対応

問題点

  • A5増産で国内需要と供給のミスマッチが拡大
  • 余剰A5は海外輸出や加工用に回される傾向
  • 消費者教育(等級と「旨味」の関係)不足

対応の方向性(生産者・流通・政策)

  1. 生産多様化:赤身主体の育種・飼養(付加価値化)を並行して進める。
  2. 流通柔軟化:等級別の販売チャネル整備(赤身需要向けの明確な商品設計)。
  3. 情報提供:消費者向けに等級と料理適性を示すラベリング強化。

実務者への示唆(生産現場でできること)

短期〜中期で取り組みやすいアクションを示します。

  • 繁殖選抜で「目的別血統」を維持(A5志向と赤身志向の分岐管理)
  • 肥育プログラムを目的別に設計(早期肥育で赤身を残す等)
  • 販路多様化(地元直販・飲食店向け赤身商品・輸出のバランス)

消費者へのアドバイス(購入・調理の視点)

家庭や飲食店では、目的に応じた部位と等級の選択が重要です。霜降りの「とろける旨さ」を楽しみたい特別な用途と、日常的な調理や健康志向には赤身を使い分けることで満足度と費用対効果が向上します。

まとめ(本記事の要点)

  • 2025年、和牛A5等級は去勢牛ベースで約71.4%に到達し、霜降り改良の成果が明確になった。
  • ただし国内消費は赤身志向の高まりがあり、生産と需要のミスマッチが課題。
  • 生産の多様化、流通の最適化、消費者への適切な情報提供が今後のカギになる。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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