カフェのメニューでよく見かける「ミルクティー」と「ロイヤルミルクティー」。
「名前が違うだけで、中身は似たようなものでしょ?」と思っていませんか?
実は、この2つには抽出方法と牛乳の比率に決定的な違いがあります。
普段から牛と向き合い、乳質にこだわっている私からすると、ロイヤルミルクティーは単なる飲み物ではなく「牛乳のコクを最大限に楽しむための料理」と言っても過言ではありません。
この記事では、両者の違いや歴史といった基礎知識から、酪農家だからこそ知っている「本当に美味しいロイヤルミルクティーの作り方」までを分かりやすく解説します。読み終わる頃には、あなたも自宅で極上の一杯が淹れられるようになりますよ。
決定的な違いは「煮出し」にある
結論から言うと、この2つの最大の違いは「作り方(抽出方法)」と「牛乳の量」です。
一目でわかる比較表を作成しました。
| 比較項目 | 一般的なミルクティー | ロイヤルミルクティー |
|---|---|---|
| 作り方 | お湯で紅茶を淹れ、後から牛乳を加える | 手鍋で茶葉と牛乳を直接煮出す |
| 牛乳の割合 | 少量(紅茶が主役) | 多量(牛乳と水が1:1程度) |
| 味わい | 紅茶の香り重視でさっぱり | 濃厚なコクとまろやかさ |
通常のミルクティーは、紅茶そのものの繊細な香りを楽しみます。
一方、ロイヤルミルクティーは茶葉を煮込むことで、牛乳の乳脂肪分と紅茶の成分がしっかり絡み合い、濃厚なリッチ感を味わうことができます。
ロイヤルミルクティーは日本発祥?意外な歴史

「ロイヤル」という名前から、イギリス王室御用達の飲み物だと思われがちですが、実は日本で生まれた和製英語です。
イギリスにはこの名称の飲み物は存在しません(似たような煮出し紅茶は「スチュードティー」と呼ばれます)。
- 1960年代: リプトンなどの紅茶メーカーが「ロイヤル」という言葉を使い始め、高級感をイメージ付けました。
- その後: 大阪や京都の喫茶店(ロンドンティールームなど)が、濃厚な煮出し式ミルクティーを独自に開発し広まりました。
インドの「チャイ」とも似ていますが、チャイはスパイスを入れて強火で煮立たせるのが一般的。ロイヤルミルクティーはスパイスを使わず、牛乳の優しさを引き立てるのが特徴です。
【酪農家直伝】極上ロイヤルミルクティーのレシピ
ここからは、私たちが普段実践している、牛乳のポテンシャルを最大限に引き出す作り方をご紹介します。
用意するもの(2杯分)
- 水:150ml
- 牛乳:200ml(成分無調整牛乳がおすすめ)
- 茶葉:6〜8g(ティースプーン山盛り2杯)
- 砂糖:お好みで
作り方の手順
- 茶葉を開かせる
手鍋に水を入れ沸騰させます。茶葉を投入し、弱火で1〜2分煮出して茶葉をしっかり開かせます。
※ここでお湯だけで煮出すのがポイント!最初から牛乳を入れると茶葉が開きません。 - 牛乳を投入
牛乳を加え、弱火のまま温めます。 - 沸騰直前で止める(最重要!)
鍋の縁がフツフツとしてきたら火を止めます。
酪農家ポイント:牛乳は沸騰させすぎると独特の加熱臭が出て、甘みが損なわれます。「沸騰させない」のが美味しさの秘訣です。 - 蒸らして完成
蓋をして2〜3分蒸らし、茶こしでカップに注げば完成です。
プロが教える「茶葉」と「牛乳」の選び方
美味しいロイヤルミルクティーを作るには、技術以上に「素材選び」が重要です。ここを間違えると、水っぽくなったり牛乳臭くなったりします。
おすすめの茶葉:アッサム(CTC)
絶対に外さないのが「アッサム」という種類の紅茶です。
特に「CTC(丸い粒状)」製法の茶葉を選んでください。短時間で濃厚な成分が出るため、たっぷりの牛乳にも負けないコクが出ます。
酪農家が選ぶ:おすすめの牛乳
ここが一番お伝えしたいポイントです。スーパーで牛乳を選ぶ際、以下の表示を確認してください。
1. 「種類別:牛乳」を選ぶ 「乳飲料」や「加工乳」ではなく、生乳100%の「牛乳(成分無調整)」を選びましょう。自然な甘みとコクが段違いです。

2. 低温殺菌牛乳(パスチャライズド)があればベスト 一般的な牛乳は130度前後で殺菌されますが、低温殺菌(65度前後)の牛乳は、生乳本来の風味が残っており、スッキリとした甘さがあります。紅茶の香りを邪魔しません。
3. 冬場の牛乳は濃厚 実は、牛は寒さに強い動物。冬場は乳脂肪分が高くなり、よりクリーミーな味わいになります。冬こそロイヤルミルクティーの季節なんです。
よくある質問:表面に膜ができるのはなぜ?
温めると表面にできる膜は「ラムスデン現象」といって、牛乳のタンパク質が固まったものです。
栄養価が高い証拠なので食べても問題ありませんが、口当たりが気になる場合は、温める際にかき混ぜ続けるか、最後に茶こしを通すことで防げます。
まとめ:違いを知って、自宅で極上のティータイムを
今回はミルクティーとロイヤルミルクティーの違いについて解説しました。
- 最大の違い: ミルクティーは「後入れ」、ロイヤルミルクティーは「煮出し」。
- 味わい: 濃厚さを楽しむならロイヤルミルクティー一択。
- プロのコツ: アッサム茶葉と、成分無調整牛乳(できれば低温殺菌)を使う。
濃厚なロイヤルミルクティーは、仕事終わりの疲れた時や、休日のリラックスタイムに最適です。
ぜひ今日のティータイムに、今回紹介したレシピを試してみてください。いつもの一杯が、驚くほど美味しく変わるはずです





