2026年1月18日早朝、北海道網走郡美幌町の牧場で、バーンクリーナー(牛舎のふん尿搬出装置)の氷を除去していた38歳の男性が約3.5メートル下に転落し重傷を負いました。本記事では事故の経緯と、同様の冬期作業で現場ですぐ使える具体的な安全対策を酪農現場の視点から分かりやすく解説します。
要点
- 事故の本質:凍結除去の高所作業で滑落リスクが増大し、基本的な「複数人作業+転落防止具」が徹底されていれば防げる事例である可能性が高い。
- 現場対応の優先順位:(1)まず救助と医療手配、(2)作業記録と機器状態の保存、(3)同種作業の一時停止と現場点検。
- 再発防止の核:具体的なチェックリスト(装備・手順・緊急連絡)を全員で共有し、必ず遵守すること。
事故の概略
2026年1月18日午前、北海道網走郡美幌町の牧場で、バーンクリーナー(牛舎のふん尿搬出装置)に付着した氷の除去作業中、38歳の男性が約3.5メートル下に転落し重傷を負いました。搬送時には頭部の出血や両腕骨折が確認され、警察・消防が現場検証を行い、労働災害の可能性も含め調査中です。

なぜバーンクリーナーの氷除去は危険なのか
バーンクリーナーはチェーンやスクレーパーで溝内の汚物を搬出する機構で、溝・ベルト部は床面より高い位置に設置されることがあります。 冬季は溝内の水分や汚物が凍結し、稼働前に物理的に氷を取り除く必要が生じます。問題のポイントは以下です。
- 足場の不安定さ:氷除去は高所または炉縁上で行われることが多く、足元が凍結・濡れているため滑落しやすい。
- 工具の使用:ハンマーやバールなど硬い工具を用いるため、力がかかる瞬間にバランスを崩すリスクが増える。
- 視界・照明不足:早朝や夜間作業が多く、十分な照明がないと足元や氷の状態を正確に把握できない。

現場ですぐ使える安全チェックリスト
作業開始前に必ず以下を確認してください。
人員・手順
- 作業は必ず2名以上で行う(補助者は見守り・通報対応)。
- 作業手順を事前に確認し、分担と緊急停止方法を共有する。
装備
- 滑り止め付き安全靴(靴底が摩耗していないことを確認)。
- ヘルメット+あご紐、作業用手袋(落下物対策)、必要時は安全帯(命綱)を着用。
- ハンドライト/ヘッドライトを携帯し、暗所の視認性を確保。
機器・環境確認
- 機器は電源・動作確認をせずに点検(誤作動防止)。
- 床面・足場の除雪・融氷を事前に行い、作業面の摩擦を高める。
- 工具は確実に保持する(落下防止紐が使える場合は使用)。
緊急時対応
- 携帯電話の充電・緊急連絡先を確認(家族・近隣・119/110)。
- 負傷者がいる場合は無理に動かさず、頭部・頸部保護を最優先に救助要請。
- 作業終了後、機器の状態と実施手順を記録して写真保存する(後の調査・保険対応に必須)。
労働災害としての対応と保険
牧場における作業中の重傷は、労働災害(労災保険)や民事責任に関わる可能性があります。運営者は次を確認してください。
- 速やかに労働基準監督署へ報告が必要か確認する(国・地域の規定に従う)。
- 被害者の医療情報・事故状況の記録を保存。保険手続きのために写真・作業日誌を保全する。
- 再発防止計画(見直し手順)を作成し、スタッフ全員に周知する。
ポイント
小規模牧場ほど「人が少ない・手が回らない」ため基本手順が抜けやすいです。次の3点を特に強く推奨します。
- 作業ルーティンの標準化:氷除去や冬期点検はチェックリスト化して掲示、新人も確認できるようにする。
- 簡易安全具の常備:命綱・滑り止め・携帯ライトは各牛舎に常備し、作業前に必ずチェック。
- 定期的な訓練:年に1回以上の救助訓練や実地点検を実施し、緊急時の動きを体で覚えさせる。
よくある質問(FAQ)
Q:バーンクリーナーの氷はどう除去すれば安全ですか?
A:高所作業になる場合は安全帯着用・補助者配置・十分な照明の確保が必須です。工具は落下防止を施し、無理な力をかけずに小分けで除去します。
Q:労災扱いになる条件は?
A:作業が業務の一環で発生した怪我は原則労災対象です。詳細は所轄の労働基準監督署に相談してください。
Q:すぐできる最低限の対策は?
A:複数人での作業、滑り止め靴、携帯ライト、作業前の写真/記録保存の4点を徹底してください。
まとめ
1) 今回は氷除去の高所作業で重大な転落事故が発生しました。
2) 同種事故を防ぐには「複数人作業・転落防止具・事前点検・記録保存」が直ちに実行可能な対策です。
3) まずは現場の手順を見直し、今日からチェックリストを導入してください。
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