「霜降り=いい肉」という常識は、いま揺らいでいます。近年の健康志向やコスパ志向の高まりにより、消費者は“脂の量”だけで肉を評価しなくなりました。本記事では、2024〜2025年の複数調査を基に、世代別・用途別の嗜好変化を図表で示し、「いい肉」の新しい基準をデータで肉牛を育てる筆者が読み解きます。
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なぜ「赤身」が支持されるのか(背景)

ここ数年、複数の消費者調査で「赤身を好む」という回答が増えています。理由は大きく分けて三つです。
- 健康・体調面の配慮:脂質を控えたい層や食後の重さを避けたい層が赤身を選ぶ傾向。
- コスパ意識:日常的に食べられる価格帯や満足感を重視する動き。
- 食感と旨味の評価:噛み応えのある赤身でこそ感じられる「肉の旨味」を好む声が強い。
専門家の視点:霜降りは「ハレの日」の価値を保ちつつ、日常消費市場では赤身の価値を高める品種改良・餌設計・カットの提案が重要です。
データで見る消費者の選択(調査要点)
代表的な調査の要点を表にまとめると、トレンドが一目で分かります。
| 調査項目 | 主な結果(要点) |
|---|---|
| 赤身支持割合(dancyu系調査) | 赤身主体派が霜降り派の約3倍。特に20〜40代で赤身支持が高い。 |
| いい肉の日調査(外食総研) | 「いい肉に牛肉を選ぶ」回答が約68.6%。「赤身の質・味わい」が重視される傾向。 |
| 等級供給の状況(市場指標) | A5等級の供給割合は増加しているが、消費者側の評価軸とは乖離が出ている。 |
※上記は複数調査(2024〜2025年)を総合した要約です。出典や詳細データは記事末の参考情報をご確認ください。
世代別の特徴(短縮版)
- 20〜40代:赤身支持が最も強く、価格と健康を両立する選択が目立つ。
- 50代以上:霜降り(ヒレ・サーロイン)への支持が根強いが、赤身も増加傾向。

生産・流通・小売に必要な対応(現場からの提案)
生産者・流通・小売が取り組むべき具体施策を、実践的に挙げます。
生産者(牧場・肥育)向け
- 赤身の旨味を高める餌設計と肥育期間の最適化。
- 部位別のカット提案(家庭用・調理しやすいカット)を流通に提示。
- トレーサビリティや飼養管理データの公開で信頼を得る。
流通・小売向け
- 用途別(焼肉/ステーキ/すき焼き)で「この場面には赤身が合う」提案を行う。
- 価格帯・量・調理法を分かりやすく表示し、購買判断を支援。
- 試食・短期プロモーションで赤身の旨味を体験させる施策。

消費者向け:用途別の牛肉選び(実用ガイド)
シーン別のおすすめを簡潔に示します。

- 日常の夕食/炒め物・煮物:赤身(モモ、肩)→コスパよく旨味を楽しめます。
- 家庭でのステーキ:赤身寄りのサーロインやランプ→香ばしさと旨味。
- ハレの日・贈答:A5ランクの霜降り(焼き過ぎに注意)→脂の甘さと柔らかさを楽しむ。
まとめ(今後の見通し)
霜降り信仰が「完全に終わった」わけではありません。むしろ価値の使い分けが進み、消費者は「目的に合った肉」を選ぶようになりました。生産者は赤身の旨味を高める取り組みと情報発信、流通は用途提案と可視化、消費者は場面に応じた選択——この三者の連携が重要になります。
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よくある質問(FAQ)
Q. 霜降りと赤身、どちらが健康に良いですか?
A. 一般論では赤身の方が脂質が少なく、カロリーや飽和脂肪が気になる方には向きます。ただし食べる量・頻度・調理法が重要です。
Q. A5は価値がないのですか?
A. 価値は残ります。A5はハレの日や嗜好品として強みがあります。重要なのは「いつ・誰が・どのように食べるか」です。
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