2025年もまもなく6月がやってきます。6月1日は「牛乳の日」、そして6月全体は「牛乳月間」として定められており、この時期は全国で牛乳にまつわるさまざまなイベントやキャンペーンが行われます。本記事では、牛乳の日の由来・目的や最新の消費動向データ、そして牛乳の健康効果やおすすめレシピなどを、徹底解説します。また、記事の中盤では「牛乳の種類」や「殺菌方法が異なる牛乳」「特別牛乳・A2ミルク」について紹介します!

6月1日は“牛乳の日”、6月は“牛乳月間”!
1. 牛乳の日とは?由来と目的を解説
1-1. 牛乳の日の制定の経緯
- 世界牛乳の日(World Milk Day):
- 2001年に国連食糧農業機関(FAO)が「World Milk Day」を6月1日と定めました。これは、世界各地で牛乳をはじめとした乳製品の価値を再認識し、消費拡大や酪農・乳業の理解促進を目的としたものです。
- 日本における「牛乳の日/牛乳月間」制定:
- 日本では 2007年 に一般社団法人Jミルク(旧・日本酪農乳業協会)がFAOの趣旨に合わせ、6月1日を「牛乳の日」、6月全体を「牛乳月間」として制定しました。ここから、毎年6月1日を含む1ヶ月間は、全国で牛乳に関する啓発・普及イベントが行われるようになりました。

牛乳の日って、実は“国際的な記念日”だったんだ!

1-2. 牛乳の日の目的・意義
- 消費促進:
牛乳の国内消費量は1996年をピークに減少傾向にあり、少子高齢化や市場の多様化も要因の一つです。牛乳の日は、この状況を打破し、消費を喚起するためのきっかけづくりとして活用されます。 - 酪農・乳業の仕事への理解:
生産者である酪農家の苦労や、牛乳が消費者の手元に届くまでの流れを知ってもらうことで、酪農・乳業の社会的意義を広く伝えます。学校や地域での搾乳体験、工場見学などを通じて、「牛乳ができる過程」を学ぶ機会が増えています。 - 地域振興・食育:
地方自治体や酪農家団体が企画する「親子搾乳体験」「牛乳レシピ教室」「牛乳クイズ大会」など、食育イベントや地域振興にもつながっています。牛乳の栄養価や健康効果を子どもから高齢者まで理解してもらうことで、生活習慣病予防や骨粗しょう症対策など、健康維持にも役立てられています。

牛乳の日=飲むだけじゃなく“知る・学ぶ日”でもある!
1-3. 牛乳月間で行われる主な取り組み
- 試飲・配布イベント:
各地で牧場直送の牛乳や牛乳を使った飲料の試飲会が開催されます。サンプル配布や「牛乳500ml(税込150円)」などの特別価格で販売するイベントも多いです。 - 学校・教育機関での食育授業:
小中学校で「牛乳ができるまで」をテーマにした授業が実施されるほか、栄養士や酪農家を講師に招いた「牛乳の健康効果」講座なども行われています。 - SNSキャンペーン:
「#牛乳の日」「#ミルクデー」といったハッシュタグを活用し、牛乳に関するレシピや写真コンテストを開催。優秀作品には牛乳グッズが当たったり、協賛企業の商品券がもらえたりします。 - 企業PR・新商品発表:
大手乳業メーカーや通販事業者が、牛乳の日に合わせて新製品を発表したり、牛乳を利用したオリジナルレシピを公開したりします。後ほど詳しく事例を紹介します。

SNSでも牛乳盛り上がってるんだね!投稿してみようかな

2. 日本の牛乳消費量の推移と国際比較データ
2-1. 日本国内の消費量推移
年度 | 総消費量(キロリットル) | 備考 |
---|---|---|
1966年 | 約200万 | 食生活の西洋化が進み始めた頃 |
1996年 | 505万 | ピーク |
2013年 | 350万 | 少子高齢化・代替飲料の台頭で減少 |
2021年 | 337万 | (※1) |
2024年 | 330万(推定) | (※2) |
- 1966年から1996年までは、人口増加・学校給食の普及・冷蔵技術の向上などにより約2.5倍の消費増加が見られました。
- 1996年(505万キロリットル)をピークに減少が始まり、その後も少子高齢化や飲料市場の多様化(炭酸飲料、健康ドリンク、代替ミルクなど)が影響し、2013年には350万キロリットルまで低下しました。
- 2021年以降はほぼ横ばい~緩やかな減少傾向が続いており、2024年の段階でも約330万キロリットル程度とされています。今後は「健康志向の高まり」や「プロテイン習慣」の普及などがどのように影響するか注目されます。


消費量は1996年の505万キロリットルがピークだったんだね
注釈
- 2021年数値はJミルクデータベース2022年版を参照。
- 2024年の推定値は、2025年5月28日更新のJミルクデータベースをもとに算出。
2-2. 一人当たり消費量の推移と国際比較
年度 | 日本(kg/年) | アメリカ(kg/年) | ドイツ(kg/年) | フランス(kg/年) | 韓国(kg/年) |
---|---|---|---|---|---|
1996年 | — | 133.5 | 107.8 | 77.1 | 35.3 |
2012年 | 31.6 | 132.4 | 106.2 | 76.4 | 34.5 |
2021年 | 30.2 | 129.0 | 102.5 | 74.0 | 33.0 |
2024年 | 29.5(推定) | 128.1(推定) | 101.0(推定) | 73.2(推定) | 32.8(推定) |
- 日本:1996年当時は一人当たり消費量がピークの頃は公表データがなく“―”となっていますが、2000年代以降は減少傾向が続き、2012年には31.6kg、2021年には30.2kg、2024年は約29.5kg(推定)となっています。
- 海外主要国:アメリカやドイツ、フランスは100kgを超える高水準を維持しており、チーズ消費も活発です。一方、日本は約30kg前後で、先進国の中では比較的低い数値にとどまっています。特にチーズ消費量も日本は**約2.5kg(2022年)**に対し、フランスは27.4kg、アメリカは17.9kgと大きな差があります。
国際比較からわかること
- 諸外国では乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルトなど)が日常的に摂取されている。
- 日本は「牛乳をコップ1杯飲む習慣」が薄れつつあり、特に若年層の消費離れが見られる。

アメリカの1人あたり消費量、約128kgって…日本の4倍以上!?

3. 牛乳の日に合わせた企業PR・キャンペーン事例
牛乳の日をきっかけに、多くの企業や団体がさまざまなキャンペーンを実施し、認知拡大や消費促進を図っています。ここでは、近年注目された代表的な取り組みをいくつか紹介します。
3-1. 雪印メグミルク:「健康意識調査」と新商品PR
- 実施内容
- 2024年6月1日に、20~69歳の男女を対象とした「牛乳と健康に関する意識調査」の結果をプレスリリースで発表。調査結果をもとに、消費者が「牛乳を飲む理由」や「牛乳に求める機能性」などをまとめたレポートを公開しました。
- 同時期に、牛乳をベースにした新製品(乳酸菌入り牛乳ドリンクなど)を発売し、合わせてオンラインキャンペーンを実施。調査結果から導いた「健康価値」を訴求するため、オフィシャルサイトやSNSでレシピ動画も公開しました。
- 効果
- プレスリリースが複数メディアに取り上げられ、テレビ・新聞・Webニュースで露出を獲得。
- SNSで「#牛乳の健康価値」をつけた投稿が増え、フォロワー数が約15%アップ。
- 新製品の発売後1週間で当初予定の2.5倍の販売数量を記録し、牛乳ベース飲料の売上が前年比+12%増となった。

“乳酸菌入り牛乳ドリンク”って、健康志向にぴったりだね
3-2. Oisix(オイシックス):A2牛乳カフェのポップアップ展開
- 実施内容
- 2023~2024年の牛乳月間に、都内主要商業施設で「A2ミルクカフェ」を期間限定でオープン。A2牛乳とは、通常の牛乳に含まれる「A1β-カゼイン」ではなく、「A2β-カゼイン」を主体とする品種の牛乳で、乳糖不耐症気味の人でも比較的飲みやすいと言われています。
- 店舗ではA2牛乳を使ったラテやスイーツを提供し、来場者には試飲サンプルを無料配布。来場者がその場で購入できるECサイトへのQRコードも設置しました。
- オンラインでは、「#A2ミルク体験」「#牛乳の日」をハッシュタグにした投稿キャンペーンを開催。抽選でA2牛乳1ヵ月分が当たる企画を行いました。
- 効果
- ポップアップカフェ来場者数は全期間で約2万人を突破。SNSでの投稿数は1,200件以上となり、A2牛乳の認知度が大幅に向上。
- ECサイトへの流入数が牛乳月間期間中に前年比+58%増を記録し、A2牛乳の定期購入契約が約1.4倍に増加。

“乳糖不耐症でも飲める”って話題のA2牛乳、ちょっと試してみたい
3-3. 赤城乳業:プレミアムアイス無料配布&ライブ配信
- 実施内容
- 2019年から毎年6月1日に、「ミルクレア」などのプレミアムアイスを15,000個無料配布するキャンペーンを実施。都内大手ショッピングモールや駅前広場など、人通りが多い場所を中心に配布を行いました。
- 当日はTwitterやFacebookでライブ配信を実施し、「今どの会場が混雑しているか」「配布時間の目安」をリアルタイムで発信。来場者からの投稿(写真・コメント)も積極的にリポストし、双方向型のSNS施策を展開しました。
- 効果
- 無料配布の行列がメディアで取り上げられ、朝の情報番組やWebニュースで複数回紹介。
- 配布イベント後のSNS投稿総数は昨年比+45%増。特にTwitterにおいて「#Milcrea無料配布」が2日間トレンド入り。
- イベント当日に合わせて同商品を全国の店舗で割引販売した結果、店舗売上が前年同期比+20%増を記録。

2025年の今年も桜木町前広場で無料配布中!
3-4. 地域自治体・酪農組合の取り組み
- 親子搾乳体験・バター作りワークショップ(北海道・岩手など)
- 酪農家が自宅の搾乳施設を開放し、親子連れに「牛に触れる」「搾乳を体験する」「バター作りを体験する」半日〜1日コースを開催。参加者には牛乳・乳製品の詰め合わせをプレゼント。
- 地元スーパーやサービスエリアと連携し、来場者に「地元牛乳」をPRできる物販スペースを設置。
- 学校給食連動企画(全国の小学校・中学校)
- 6月は給食で「牛乳を飲む週間」として、毎週異なるテーマ(例:「骨を丈夫にする」「筋肉をつくる」「疲れにくい体づくり」など)を設け、栄養士や地元酪農家を講師に招いた授業を実施。
- 授業後に給食試食会を行い、「牛乳が苦手な児童向けの飲みやすいアレンジ方法」や「牛乳を使った副菜レシピ」も紹介。

“学校給食 牛乳週間”って全国でやってるんだ。地域によって工夫も違いそう!
4. 牛乳がもたらす健康効果と栄養素
牛乳は、食品の中でも非常にバランスの良い栄養源として知られています。特に「カルシウム」「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」などを手軽に摂取できるため、子どもから高齢者まで幅広い世代に推奨されています。ここでは主な栄養素と健康効果について解説します。
4-1. 牛乳に含まれる主な栄養素
- カルシウム
- 牛乳はカルシウム含有量が特に高く、コップ1杯(200ml)あたり約220mgのカルシウムが含まれています。これは成人が1日に必要とするカルシウム量の約20%をカバーします。
- 作用・効果:
- 骨や歯を丈夫にする。骨粗しょう症予防。
- 筋肉の収縮や神経伝達の調整に関与。
- タンパク質(ホエイ・カゼイン)
- 牛乳タンパク質は「ホエイプロテイン」と「カゼイン」に分かれ、アミノ酸バランスが良好です。
- 作用・効果:
- 筋肉の維持・成長をサポートし、運動後のリカバリーに最適。
- 免疫細胞や体内酵素の材料となり、体の恒常性を維持する。
- ビタミン類
- ビタミンB2(リボフラビン):皮膚・粘膜の健康維持に関与。
- ビタミンB12:赤血球の生成をサポートし、貧血予防に役立つ。
- ビタミンA:視力の維持や皮膚・粘膜の健康維持に寄与。
- ビタミンD:カルシウム吸収を促進し、骨の代謝をサポート。
- ミネラル(マグネシウム・リン・カリウムなど)
- カリウム:血圧調整や筋機能の維持に必要。
- リン:骨の構成成分であり、エネルギー代謝にも関与。
- マグネシウム:筋肉の収縮・弛緩や神経伝達をサポート。
- 乳糖(ラクトース)
- 腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やす作用がある。
- 一部の人は乳糖不耐症のため、消化しにくい場合があるが、A2ミルクや「低乳糖牛乳」など代替品が登場している。

牛乳1杯で1日分のカルシウムの20%も摂れるなんて、意外と優秀かも!

4-2. 牛乳による主な健康効果
- 骨粗しょう症予防
- 十分なカルシウム摂取は、特に成長期や閉経後の女性、高齢者にとって重要です。定期的に牛乳を飲むことで、骨密度の低下を防ぎ、骨折リスクを軽減します。
- 筋肉維持・運動パフォーマンス向上
- トレーニング後のタンパク質補給として、ホエイプロテインが豊富な牛乳は非常に効率的です。筋肉の修復・合成を促進し、疲労回復に役立ちます。
- 腸内環境の改善
- 乳糖が腸内で分解される過程で乳酸菌が増え、腸内フローラを整えます。便秘の改善や免疫機能の向上にもつながります。
- 健康的なダイエットサポート
- コップ1杯200mlあたり約130kcalと、比較的低カロリーながら満腹感を得やすい食品です。血糖値の急上昇を抑える効果もあり、食後の血糖コントロールに有益とされています。
- 美肌・美容効果
- 牛乳に含まれるビタミンB2やビタミンAが皮膚のターンオーバーを促し、ニキビや肌荒れ予防に寄与します。

筋トレにも、美容にも、お腹の調子にも良いとか…万能すぎ!
5. 牛乳を使った初心者向け簡単レシピ
ここからは、牛乳を活用した初心者向けの簡単レシピをご紹介します。調理時間は10〜15分程度。忙しい朝や、ちょっとしたおやつタイムにもピッタリです。
5-1. 小松菜とりんごのミルクスムージー
材料(1人分)
- 牛乳:200ml
- りんご:1個
- 小松菜:1/3袋
- はちみつ:大さじ1(お好みで調整)
- 氷:適量

作り方
- りんごの皮をむき、適当な大きさ(2cm程度)に切る。
- 小松菜の根元を切り落として、3cm程度に切る
- ブレンダー(ミキサー)にりんご、小松菜、牛乳、はちみつ、氷を入れる。
- 220〜250W程度の低速モードで約30秒〜1分攪拌し、滑らかになったらグラスに注ぐ。

ポイント
- 砂糖やはちみつで甘さを調整可能。無糖ヨーグルトを小さじ1ほど加えると、さわやかな酸味がプラスされます。

6. 牛乳の種類を知ろう!成分・殺菌法・特別牛乳の違い
牛乳には「原乳を搾って脂肪を均等化(ホモジナイズ)せず、そのまま出荷する生乳(ノンホモジナイズ・ノンホモ牛乳)」から、成分調整されたもの、殺菌方法や加工方法が異なるもの、さらに特定の機能性や希少価値を持つ「特別牛乳・A2ミルク」など、種類が多岐にわたります。ここでは、主な牛乳の種類を初心者向けに整理し、それぞれの特徴や選び方のポイントを解説します。
6-1. 成分調整牛乳や乳飲料などの牛乳の種類
「牛乳」と「乳飲料」の違いは、乳脂肪分や成分がどの程度「牛乳規格」に準拠しているかで分かれます。
- 成分調整牛乳
- 牛乳の中から乳脂肪分や無脂固形分(たんぱく質・ミネラル)を調整した製品です。
- たとえば「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」といった、ダイエットや健康志向に合わせたラインナップがあります。
- 特徴:
- 通常の牛乳から乳脂肪分を除去または減らしているため、カロリーや脂質を抑えたい人におすすめ。
- カルシウムやたんぱく質量は同等に近いため、栄養バランスを維持しやすい。
- 乳飲料
- 「牛乳(無調整または成分調整)に乳製品以外(砂糖・フルーツ果汁・コーヒー・ココアなど)を加えたもの」。
- 乳飲料の規格では、無脂固形分8.0%以上、乳脂肪分3.0%以上を満たせば「乳飲料」として販売可能。
- 特徴:
- 味のバリエーションが豊富で、コーヒー牛乳やチョコレートミルク、フルーツミルクなどが一般的。
- 子どもや牛乳が苦手な人でも飲みやすい。

“牛乳”って全部一緒じゃなかったのね…知らなかった!

さらに詳しく知りたい方は、下記の記事をチェックしてみてください。牛乳の分類や表示の見方など、より専門的な解説があります。
6-2. 低温長時間殺菌牛乳と他の殺菌方法の違い
牛乳の安全性を確保するために行う「殺菌方法」にはいくつか種類があります。ここでは代表的な“低温長時間殺菌(LTLT)”と“高温短時間殺菌(HTST)”、そして“超高温瞬間殺菌(UHT)”の違いについて解説します。
- 低温長時間殺菌(LTLT: Low Temperature, Long Time)
- 殺菌温度:65℃前後
- 殺菌時間:約30分
- 特徴:
- じっくり温度をかけることで、牛乳本来の風味や甘みを引き出しやすい。
- 風味がまろやかで、コクが感じられるため、ミルク感を重視する方に人気。
- 日持ちは通常の「成分無調整牛乳」と同様に冷蔵(10℃以下)で2週間程度。
- デメリット:
- 加熱時間が長いため、生産コストがやや高め。
- 常温保存ができないため、流通や保管に冷蔵設備が必要。
- 高温短時間殺菌(HTST: High Temperature, Short Time)
- 殺菌温度:72〜75℃
- 殺菌時間:15〜20秒
- 特徴:
- 高温で短時間加熱することで、比較的栄養素の破壊を抑えつつ、殺菌効率が高い。
- 日持ちは冷蔵で7〜10日程度。
- LTLTよりもコストが抑えられるため、一般的にスーパー等で流通している牛乳はほとんどこの殺菌方法。
- 超高温瞬間殺菌(UHT: Ultra-High Temperature)
- 殺菌温度:130〜150℃
- 殺菌時間:1〜2秒
- 特徴:
- 超高温で瞬間的に殺菌するため、常温で長期保存(2〜3ヵ月)が可能。
- 缶や紙パックに入れて密閉することで、冷蔵なしでも流通できる。
- 冷蔵庫を使わないアウトドアや非常食として重宝される。
- デメリット:
- 加熱によって独特の「火入れ臭(焦げたような風味)」がつきやすい。
- 鮮度感はLTLTやHTSTに比べてやや劣る。
各殺菌方法の特徴をふまえて、自分の使い方(コーヒーに入れる、子どものおやつに使う、常備品として棚に置いておきたい、など)に合わせて選んでみてください。

殺菌方法ってこんなに違うんだ!同じ牛乳でも味が変わる理由がわかった

詳細は低温長時間殺菌牛乳などの殺菌方法の違う牛乳のページをご参照ください。具体的な製品例や比較表が掲載されています。
6-3. 特別牛乳・A2ミルクなど普段とは違う牛乳
近年、“機能性”や“希少性”を重視した「特別牛乳」や「A2ミルク」が注目を集めています。ここでは、それぞれの特徴や選ぶポイントを紹介します。
- 特別牛乳(ブランド牛乳)
- 定義・特徴:
- 産地や品種(ブラウンスイス、ジャージー、ガンジーなど)にこだわり、一般的なホルスタイン種中心の生乳とは異なる風味やコクを楽しめる牛乳。
- 一部では「生産農家が少数精鋭で搾っている」「指定牧場限定」のように、希少価値を高めたブランド牛乳もあります。
- メリット:
- 通常の牛乳よりミルク感が強く、クリーミーな味わいを楽しめる。
- 産地のこだわりや生産背景を知ることで、“ストーリー性”のある選択ができる。
- デメリット:
- 価格が高め(スーパーで一般的に1Lあたり200〜300円程度)。
- 流通量が限られるため、通販か一部の小規模スーパー/直売所でしか手に入らない場合がある。
- 定義・特徴:
- A2ミルク
- 定義・特徴:
- 通常の牛乳に含まれる「A1β-カゼイン」ではなく、「A2β-カゼイン」と呼ばれるタンパク質を主体とする乳牛(ジェラント種、ジャージー種など)の乳を原料とした牛乳。
- A2β-カゼインは消化が穏やかで、乳糖不耐症の人でも比較的お腹を壊しにくいと言われています。
- メリット:
- お腹がゴロゴロしやすい人や、牛乳を飲んで下痢になりやすい人でも比較的飲みやすいと感じるケースが多い。
- 一部の研究では、A2ミルクの方が“炎症を引き起こしにくい”可能性が示唆されている。
- デメリット:
- A1β-カゼインを完全に排除することはできず、あくまで「A2比率が高い」牛乳という位置づけ。
- 通常の牛乳より価格がやや高め(1Lあたり300円〜400円程度)。
- 購入方法:
- 都市部のスーパーや健康志向の食品店、あるいは通販で取り扱いがある。
- より詳しく知りたい方は、A2ミルクの詳細はこちらをご覧ください。
- 定義・特徴:
- その他の特別牛乳・機能性牛乳
- オメガ3脂肪酸強化牛乳:牛乳に含まれる脂質バランスを調整し、DHA・EPAなどオメガ3脂肪酸を強化した製品。
- ビタミン強化牛乳:カルシウム吸収をサポートするビタミンDや、肌や粘膜の健康維持に役立つビタミンB群を追加した製品。
- プロバイオティクス牛乳:乳酸菌を添加し、腸内環境を整える機能性を持たせた牛乳。
- これらの「機能性牛乳」は、健康志向が高まる中で注目され、「骨粗しょう症予防」や「運動後のリカバリー」など、ターゲットを絞ったマーケティングが展開されています。

通販や専門店で手に入る希少な特別牛乳をぜひ体験してみて

「特別牛乳やA2ミルクなどの普段とは違う牛乳」に興味がある方は、こちらをチェック!
9. まとめ:牛乳の日を楽しんで、健康生活を!
6月1日の「牛乳の日」を中心に、牛乳月間として1ヵ月間にわたり行われる各種イベントや企業のキャンペーン、そして牛乳の健康効果やレシピを通じて、牛乳の魅力を再認識したいですね。本記事では以下をポイントに解説してきました:
- 牛乳の日の由来・目的
- FAOによる「World Milk Day」を起源に、2007年に日本でもJミルクが導入した背景。
- 牛乳消費量が減少傾向にあるなかで、消費促進や酪農・乳業理解の促進を目指す重要な機会であること。
- 消費動向データと国際比較
- 1996年をピークに減少傾向が続く日本の牛乳消費量。一人当たり摂取量は30kg前後と、先進国と比べて低い水準。
- チーズ消費量も日本は2.5kg(2022年)と引き続き低く、乳製品市場全体のポテンシャルが大きい。
- 企業PR・キャンペーン事例
- 雪印メグミルクの健康意識調査と新商品PR、OisixのA2ミルクカフェ、赤城乳業のプレミアムアイス無料配布など、各社が工夫を凝らした施策で話題を集めていること。
- 地域自治体や学校給食連動の取り組みによる食育や地域振興も活発化している。
- 牛乳の健康効果・栄養素
- 骨粗しょう症予防、筋肉維持、腸内環境改善、ダイエットサポート、美肌効果など、牛乳はまさに“飲むサプリメント”と呼べるほどの栄養価を持つ。
- 乳糖不耐症の方には「A2ミルク」などの選択肢がある。
- 初心者向け簡単レシピ
- りんごと小松菜のミルクスムージー、忙しくてもすぐ作れる実用的なレシピを紹介。
- 牛乳の種類と選び方
- 成分調整牛乳や乳飲料などの牛乳の種類
- 低温長時間殺菌牛乳などの殺菌方法の違う牛乳
- 特別牛乳やA2ミルクなどの普段とは違う牛乳
- 自分のライフスタイルや好みに合わせて、ぜひさまざまな牛乳を試してみてください。
牛乳の日をきっかけに、この記事を読んでくださった皆さんが**「牛乳のおいしさ」「健康効果」「牛乳の楽しみ方」**を再認識し、毎日の食生活に取り入れていただければ幸いです。これからの牛乳月間、ぜひ家族や友人と一緒に牛乳にまつわるイベントやレシピを楽しんでください。そして、もしこの記事がお役に立ったらSNSでシェアしていただき、あなたの周りの方にも牛乳の魅力を広めましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

牛乳の日で健康生活を応援!栄養満点の牛乳を毎日取り入れよう
参考・出典
- Jミルク公式ウェブサイト:牛乳の日・牛乳月間のご案内
- ALIC(農畜産業振興機構):牛乳の消費動向について
- PR TIMES MAGAZINE:「牛乳の日(6月1日)|意味や由来・広報PRに活用するポイント」
- Jミルクデータベース:酪農乳業参考データ(2025年5月28日更新)
- 関連内部リンク
執筆者:みやむー(関西の牧場・農場長/酪農学園大学卒/ブログ「らくする」運営中)
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