ニュージーランド、2025年食肉輸出が過去最高に 牛・羊の価格上昇で100億NZドル突破

ニュージーランドの牛肉・羊肉輸出が2025年に過去最高の100億NZドルを突破したことを示すイメージ 世界の酪農
ニュージーランド、2025年食肉輸出が過去最高の100億NZドルを記録
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2025年、ニュージーランドの食肉輸出額は過去最高の100億NZドル(約9,000億円)に達しました。羊肉と牛肉の国際価格上昇が主因で、月次・四半期でも大幅な伸びを示しています。本記事はStats NZや業界団体の最新データをもとに、内訳、主要輸出先、そして日本の食肉市場へ及ぼす影響までを分かりやすく整理します。

1. 2025年の概況(主要数値)

Stats NZの発表によれば、年 ended October 2025 の1年間で、ニュージーランドの食肉輸出額は100億NZドルに達しました。これは前年から約16億NZドルの増加(年率約+20%)に相当します。公式報告は、業界全体の価値ベースでの大幅な伸びを示しています。

項目内容
総輸出額100億NZドル(年 ended Oct 2025)
前年比(概算)約+20%
羊肉の寄与+9.51億NZドル
牛肉の寄与+6.25億NZドル

月次・四半期ベースでも堅調さは鮮明で、2025年10月単月の赤肉(red meat)輸出額は約8.27億NZドルと高水準を記録しています。


2. 牛肉・羊肉それぞれの動向(内訳)

Beef + Lamb New Zealand のデータによると、輸出額増加の主役は羊肉(Lamb)牛肉(Beef)です。価値ベースの増加額では、羊肉が約+9.51億NZドル、牛肉が約+6.25億NZドルとなっています。

品目輸出額増加(前年比)主な要因
羊肉(Lamb)+9.51億NZドル国際価格の高騰、欧州需要の回復
牛肉(Beef)+6.25億NZドル米国を中心とした需要増、単価上昇

3. 価格上昇の背景と需給要因

価格上昇の背景には、複数の要因が重なっています。

  • 世界的な供給制約:気候変動や繁殖率低下、搬出頭数の減少により、南半球全体で供給が圧迫されています。
  • 需要側の堅調さ:米国やEUでの消費回復により、食肉需要が持続的に増加。特に米国では牛肉需要が強く、価格上昇に直結しています。
  • 為替・政策要因:為替変動や、一部市場での関税緩和・撤廃が輸出額を押し上げる要因となっています。

その結果、出荷量が横ばい、あるいはやや減少する局面でも、単価上昇によって輸出額が拡大する「価格ドリブンの成長」が発生しています。


4. 主要輸出先別のポイント

主要輸出先は米国・EU(英国含む)・中国です。それぞれの市場の特徴は以下の通りです。

  • 米国:牛肉需要が特に強く、単価上昇に大きく寄与。米国内生産の変動が輸入需要を高めています。
  • EU・英国:羊肉(ラム)の需要回復が顕著。特に英国は伝統的にラム需要が高く、安定した市場です。
  • 中国:数量面では依然重要な市場ですが、価格変動や関税政策の影響を受けやすい点が特徴です。

5. 日本市場への示唆と現場への提言(酪農・畜産経営者向け)

今回のニュージーランドの動向が、日本の畜産・食肉流通に与える示唆は大きく分けて次の3点です。

  • 輸入価格の上昇リスク:国際価格の高止まりは、輸入牛肉・ラムの仕入れ価格上昇につながります。
  • 国内価格バッファの再設計:国際統計を踏まえ、長期契約や価格ヘッジの検討が必要です。
  • 供給安定化策の検討:繁殖・飼養改善、飼料戦略、肥育効率向上や衛生管理による付加価値化が重要になります。

短期的には「単価上昇=輸入原価上昇」が直結するため、小売・外食事業者は原価管理と価格転嫁の計画を早めに検討することが推奨されます。


6. まとめ

2025年のニュージーランド食肉輸出は、価格上昇を背景に過去最高水準の価値を記録しました。一次統計(Stats NZ)および業界データ(Beef + Lamb NZ)が示すとおり、羊肉と牛肉の単価上昇が輸出収益を大きく押し上げています。

今後は、主要輸出先である米国・EU・英国・中国の動向を注視することが、価格動向と国内市場への影響を予測する上で不可欠です。

結論(行動提案)
国内の畜産経営者・流通事業者は、国際データを定期的に確認し、契約・在庫・価格戦略を見直すことで外部ショックに備える必要があります。短期的には購買戦略の見直し、長期的には生産効率の向上と付加価値化が鍵となります。


参考・出典(主要)

  • Stats NZ — Meat exports reach $10 billion in the year ended October 2025
  • Beef + Lamb New Zealand — Export statistics(Lamb / Beef)
  • NZ Herald — 赤肉輸出の月次・四半期動向(2025年9〜10月)
  • Ministry for Primary Industries(MPI)— SOPI December 2025
  • Mirage News / Xinhua / Reuters 各種報道

※金額・比率は公式発表および業界データをもとに集計しています(日本円換算は目安)。
※本記事は2026年1月時点の公開データに基づいて作成しています。
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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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