パルメザンチーズ世界市場2025:市場規模・CAGR・主要トレンド総覧

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パルメザン(Parmesan)市場は近年、伝統的なパルミジャーノ・レッジャーノの高級路線と、利便性を重視したgrated/ powdered製品、さらに植物ベース代替品の台頭という“二極化”が進んでいます。本稿では最新の公開データを基に市場規模・成長見通し、地域別トレンド、主要プレーヤーの動向、そして酪農・加工・流通の各事業者が取るべき実務的施策を酪農家視点で整理します。重要な統計値は出典を明示しています。

1|市場規模と成長予測(要点)

主要調査ではパルメザンチーズ市場は**2024年から2025年にかけて増加傾向**にあり、レポートによって推定レンジは異なるものの、2024〜2025年の市場規模は**おおむね150〜170億米ドル規模**、2030〜2032年にはさらに拡大する予測が出ています。複数ソースの代表的な推計では、年平均成長率(CAGR)は**約4〜6%**程度と報告されています(出典例:ResearchAndMarkets、The Business Research Companyなど)。

北海道フェアのパルミジャーノチーズリゾット
北海道フェアで楽しむ濃厚パルミジャーノリゾット
出典2024/2025の推計(概略)CAGR(報告期間)
ResearchAndMarkets2024: 約150億USD、2025: 約159億USD(例示)約5.9%(~2030)
The Business Research Company2024: 約167億USD → 2025: 約174億USD(報告)約4.1%
Parmigiano-Reggiano Consortium(PDO)Parmigiano-Reggiano消費ベースで2024年の小売回転高は32億ユーロ(記録的)輸出急増(+13.7% 等)

解説:調査会社ごとにカバー範囲(製品定義=パルミジャーノのみか「パルメザン全体」か)や地域重みが異なるため数値差が生じます。

2|主要な成長ドライバー(なぜ伸びるのか)

2-1. 食の利便性需要(grated / powdered の拡大)

ピザ・パスタ、冷凍食品や即席調理での使用が増え、すりおろし・粉末形態の需要が高い点が継続的なドライバーです。製品化しやすく物流適応力が高いため、食品製造業からの需要が強いことが報告されています。

カチョ・エ・ペペ
パルミジャーノ・レッジャーノチーズと黒胡椒のシンプルパスタ

2-2. プレミアム化とPDO(地理的表示)の強さ

パルミジャーノ・レッジャーノなどPDO認証製品は“本物志向”の高所得層消費に支えられ、単価が高く安定した海外需要を獲得しています。2024年はパルミジャーノ・レッジャーノの消費金額が記録的になったという報告もあります。

2-3. 植物由来(プラントベース)代替の急成長

ヴィーガン需要・環境配慮の高まりで植物ベースの「パルメザン代替品」市場は高い成長率を示しています。ヴィーガンチーズ市場全体のCAGRは高めに見積もられており、パルメザンカテゴリにも波及しています。

2-4. ラクトース負荷の低さと健康訴求

長期熟成によってラクトース含量が低くなるため、乳糖不耐症の消費者にとって摂取しやすい点もプラス要因です(機能性・栄養面の訴求が可能)。

3|地域別の重要ポイント

欧州(最大市場)

イタリアを中心にPDO製品の生産が集中。消費・輸出ともに強く、プレミアム商品の競争力が高い地域です。一方で米国などの関税や貿易摩擦はリスク要因となっています。

北米

加工食品や外食(QSR)での使用が多く、輸入増+現地生産(ジェネリックParmesan)も伸長。高付加価値市場としての地位を強めています。

アジア太平洋(最速成長)

都市化と外食チェーン拡大を背景に成長率が高く、特に中国、日本、オーストラリアでの需要拡大が顕著です。輸入・現地加工の両面でチャンスがあります。

4|主要プレーヤーと最近の動き(抜粋)

  • Fonterra — 消費者向けのgratedライン拡充(例:Perfect Italiano grated canistersの発売)。
  • 大手加工系(Kraft Heinz、Saputo、Sargento等)— 原材料供給・加工・流通で強み。
  • Parmigiano-Reggianoコンソーシアム — PDO維持とブランディング強化(輸出増)。
  • プラントベース系スタートアップ — ユーザー層の拡大を牽引(商品開発・味の向上に注力)。

企業は「高付加価値(PDO)」「利便性(grated)」の両面で製品ポートフォリオを拡大しており、M&Aや新商品投入が続いています。

5|事業者(酪農者・メーカー・小売)向けの実務的示唆

酪農家:原乳の付加価値化を進める

  • 長期熟成向けのトレーサビリティ導入(原乳トレーサビリティは価格差につながる)。
  • PDOにこだわる工房向けの品質規格準拠支援(小規模生産でも地域ブランド化を検討)。

加工業者:製品差別化と効率化

  • grated/powdered製品で「利便性+風味保持」のパッケージ開発(フレーバー追加や保存性の向上)。
  • プラントベースラインの開発により新市場を獲得(ヴィーガン需要を取り込む)。

小売・外食:メニュー最適化と価格戦略

  • 品質別(PDO vs generic)で明確に価格差を設定し、購買決定を支援する表示を行う。

6|リスクと注意点(原料コスト・偽装・貿易)

主なリスクは原料(生乳)価格の変動、PDO製品の偽装・ラベリング問題、及び関税や物流コストの悪化です。特に欧州のハードチーズは対米関税リスクや物流混乱で価格が変動しやすく、事業計画には為替・関税想定を入れるべきです。

7|まとめ — 今後3〜7年の見通しと示唆

  • 2024〜2025年時点でのパルメザン市場は複数レポートで概ね数十〜百数十億ドル規模、2030年代にかけて年率約4〜6%の安定成長が見込まれる。
  • 成長の主要因は(1)加工・外食での利便性需要(grated/powder)増、(2)Parmigiano-ReggianoなどPDO製品のプレミアム化、(3)植物由来代替品の台頭、(4)ラクトース低減による消費層の拡大。
  • 地域別では欧州が最大市場、北米は加工品需要・現地生産が強く、アジア太平洋は最速成長を示している。日本は輸入・外食チェーン経由での需要拡大が期待される。
  • 主要プレーヤーは製品ポートフォリオを「高付加価値(PDO)」と「利便性(grated)」で二分しつつ、プラントベース商品にも投資している。
  • 事業者への実務的示唆:酪農者はトレーサビリティと品質可視化で差別化、加工業者はSKU最適化とプラントベース展開、販売側は品質表示とメニュー提案で消費を喚起することが有効。
  • リスクとしては原料価格変動・偽装表示・関税/物流コスト変動があるため、事業計画に為替・関税シナリオを組み込むことが重要。

パルメザン市場は「プレミアム志向」と「利便性志向(加工品)」という二つの需要軸が併存し、さらに「プラントベース」という成長領域が加わる構図が続きます。事業者は自社の強み(品質/コスト/ブランド)を起点に、SKU設計と流通チャネル最適化を同時に進めることが競争優位化の鍵です。主要レポートは概ね**年率数%台(約4〜6%)の安定成長**を見込んでいます。

FAQ(よくある質問)

Q1: パルミジャーノ・レッジャーノとパルメザンの違いは?

A: パルミジャーノ・レッジャーノはPDO(原産地名称保護)により製造地域・方法が厳格に定められる「本物」の名称です。一方、パルメザンは地域制約のない一般名として使用されることがあります。

Q2: プラントベースのParmesanは市場脅威になりますか?

A: 代替製品は成長率が高く、一定の市場シェアを奪う可能性があります。ただし「本物志向の需要」は根強く、両者は共存するシナリオが現実的です。

Q3: 小規模生産者が取れる差別化は?

A: トレーサビリティ、熟成プロセスの可視化、直販/地域ブランド化など、付加価値化で高単価市場を狙うことが有効です。

参考出典(抜粋):

  • ResearchAndMarkets「Parmesan cheese market」レポート要旨。
  • The Business Research Company「Parmesan Cheese Global Market Report」。
  • Parmigiano-Reggiano Consortium 公表資料(2024年の売上/輸出増の報告)。
  • Fonterra 新商品リリース(Perfect Italiano grated canisters、2025年1月)。
  • グローバル・ヴィーガンチーズ市場レポート(例:GlobeNewswire / Meticulous 等)。
  • Reuters(Grana Padano輸出と関税の話題)。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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